Topics コラム・トピックス

#53

秋を彩る香りとともに

朝夕が涼しく、過ごしやすい季節が巡って参りました。
皆様、いかがお過ごしでしょうか。秋分を過ぎても尚、暑さが続き、ようやく秋を感じだしたと
いう方も多いのではないでしょうか。

少しずつ陽射しが穏やかになるこの頃、日中の暑さは残るものの、秋ならではの美しさを堪能し
たいものです。

秋といえば、橙色の可憐な花が愛らしい金木犀。
甘く穏やかな香りは、秋の訪れをより感じさせてくれます。

花びらの色味や、香りが増し、一輪一輪を愛でるのに最適な四季咲きの薔薇。
思わず鼻先を埋めてしまいたくなる程、上質な香りにも魅了されます。

また、美しい紅葉を終えた後に、様々な植物の香りが重なり合った、落ち葉の香り。
中でもカツラの落ち葉は、甘く、心を擽られます。

その季節ならではの香りは、季節の機微や、エモーショナルな気づきをもたらしてくれるように
思います。

例えば、金木犀は、万葉集にはじまり、様々な日本の文学作品に登場します。
香りが漂うように、読者の想像力を引き出し、情緒の追体験を促すかのようです。

それぞれに美しい魅力を持つ、日本の四季。
その時々の自然の移ろいを感じることができるだけで、とても豊かな気持ちになりますね。

少し街中を歩くだけでも、華やかな香りが楽しめる秋は、日常に取り入れるアロマセラピーの精
油も、少しだけ引き算にしています。
夜明け前の静けさや、夜が深まる時間には少し落ち着きのある、ベチバーやパチュリなど、大地を感じ
る香りを取り入れることで、心身を落ち着かせ、バランスを整えます。

ベチバーやパチュリは、ベースノートと呼ばれ、揮発が緩やかな精油です。年末に向けて、少し
気忙しくなりやすい時にも、健やかさをもたらしてくれることと思います。

香りを愉しむその時は、そっと瞼を閉じて、
心地よい呼吸と共に、香りをたっぷりと感じてみてください。

そして、食、芸術、スポーツ、読書など、
この気候ならではの愉しみと共に、どうぞ善き日々をお過ごしください。

一覧へ戻る
PAGE
TOP
PAGE
TOP