秋を彩る香りとともに
朝夕が涼しく、過ごしやすい季節が巡って参りました。
皆様、いかがお過ごしでしょうか。秋分を過ぎても尚、暑さが続き、ようやく秋を感じだしたと
いう方も多いのではないでしょうか。
少しずつ陽射しが穏やかになるこの頃、日中の暑さは残るものの、秋ならではの美しさを堪能し
たいものです。
秋といえば、橙色の可憐な花が愛らしい金木犀。
甘く穏やかな香りは、秋の訪れをより感じさせてくれます。
花びらの色味や、香りが増し、一輪一輪を愛でるのに最適な四季咲きの薔薇。
思わず鼻先を埋めてしまいたくなる程、上質な香りにも魅了されます。
また、美しい紅葉を終えた後に、様々な植物の香りが重なり合った、落ち葉の香り。
中でもカツラの落ち葉は、甘く、心を擽られます。
その季節ならではの香りは、季節の機微や、エモーショナルな気づきをもたらしてくれるように
思います。
例えば、金木犀は、万葉集にはじまり、様々な日本の文学作品に登場します。
香りが漂うように、読者の想像力を引き出し、情緒の追体験を促すかのようです。
それぞれに美しい魅力を持つ、日本の四季。
その時々の自然の移ろいを感じることができるだけで、とても豊かな気持ちになりますね。
少し街中を歩くだけでも、華やかな香りが楽しめる秋は、日常に取り入れるアロマセラピーの精
油も、少しだけ引き算にしています。
夜明け前の静けさや、夜が深まる時間には少し落ち着きのある、ベチバーやパチュリなど、大地を感じ
る香りを取り入れることで、心身を落ち着かせ、バランスを整えます。
ベチバーやパチュリは、ベースノートと呼ばれ、揮発が緩やかな精油です。年末に向けて、少し
気忙しくなりやすい時にも、健やかさをもたらしてくれることと思います。
香りを愉しむその時は、そっと瞼を閉じて、
心地よい呼吸と共に、香りをたっぷりと感じてみてください。
そして、食、芸術、スポーツ、読書など、
この気候ならではの愉しみと共に、どうぞ善き日々をお過ごしください。